左官仕上げの種類とは?鏝やハケ、ローラーを使った模様の作り方を紹介

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左官仕上げは、古来より日本の伝統的な建築様式で用いられてきた、自然素材を用いた壁の仕上げ方です。
近年では、その風合いを生かした個性的な空間作りを求める人々が増え、再び注目を集めています。
しかし、左官仕上げの種類は多岐にわたり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、実際にどのような仕上げにするか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、左官仕上げの種類や特徴を分かりやすく解説するとともに、鏝やハケを使った仕上げの模様を紹介しますので、ぜひご参考ください。

左官仕上げの種類と特徴

左官仕上げは、使用する材料や仕上げ方によって、さまざまな表情を見せるのが魅力です。
ここでは、代表的な左官仕上げの種類と特徴、それぞれのメリット・デメリット、鏝やハケを使った仕上げの模様について解説していきます。

*コテ仕上げ

コテ仕上げは、左官職人が鏝(こて)と呼ばれる道具を使って、壁や天井に漆喰やモルタルなどの材料を塗り、仕上げる方法です。
鏝の種類や使い方によって、さまざまな模様を出すことができます。

1:コテ波

コテ波は、鏝で壁の表面を塗ったあと、塗り跡をあえて平にせずに残しておいた仕上げです。
シンプルながらも味わい深い表情を生み出し、和風住宅にも洋風住宅にもよく合います。
塗り跡の残し方によって、優しい印象や力強い印象など、さまざまな表情を出すことができます。

2:扇仕上げ

扇仕上げは、鏝を扇状に動かして模様をつける仕上げです。
扇の形は、鏝の種類や使い方によって変化し、シンプルなものから複雑なものまで、さまざまな表情を生み出すことができます。
シックな空間によく合い、飲食店やホテルなど、高級感のある空間にもよく用いられます。

3:スパニッシュ仕上げ

スパニッシュ仕上げは、壁全体を厚塗りしたあとに、鏝でエッジを効かせて塗り跡を長方形になるように残した仕上げです。
ビニールクロスやシートでは再現できないような、凹凸の陰影を楽しめるのが特徴です。
ランダムにエッジを効かせた、個性的な表情を生み出します。

4:スタッコ調仕上げ

スタッコ調仕上げは、壁全体に凹凸を残し、表面がザラザラと見えるように仕上げる方法です。
ヨーロッパ建築の外壁によく見られる仕上げで、近年では洋風住宅に取り入れられることも多くなりました。
ザラザラとした質感は、温かみがあり、ナチュラルな空間によく合います。

5:マーブル仕上げ

マーブル仕上げは、2色以上の材料を混ぜ合わせて、大理石のような模様を出す仕上げです。
色の組み合わせや塗り方によって、さまざまな表情を生み出すことができます。
個性的な空間作りに最適です。

*ハケ仕上げ

ハケ仕上げは、ハケと呼ばれる道具を使って、壁や天井に材料を塗り、仕上げる方法です。
ハケの種類や使い方によって、さまざまな模様を出すことができます。

1:ハケ引き仕上げ

ハケ引き仕上げは、ブラシタイプのハケを使い、横線模様を残していく仕上げ方法です。
ハケの粗さや固さによって、線の間隔や模様が異なります。
シンプルながらも、モダンな印象を与え、洋風住宅によく合います。

3:コテバケ仕上げ

コテバケ仕上げは、コテの表面がハケになっている道具を使い、全体が平になっている壁を塗るときに使います。
模様が交差するように塗れば洋風の住宅に、扇仕上げに使うと和風の住宅にぴったりのイメージに仕上がります。

*その他の仕上げ

鏝やハケ以外にも、ローラーやスポンジ、たわしなど、さまざまな道具を使って、左官仕上げの模様を出すことができます。

1:ローラー仕上げ

ローラー仕上げは、ローラーを使って塗壁剤を塗って仕上げていきます。
ローラーの素材や表面の凹凸によって、仕上がる模様はさまざまです。
施主の希望する住宅のイメージや塗壁剤によって、ローラーを選んでいきましょう。

2:スポンジ仕上げ

スポンジ仕上げは、キッチンで使うスポンジを使って仕上げていく方法です。
スポンジを優しくこするように、壁全体に模様をつけていきます。
壁を押さえるように模様をつけていけば、凹凸のある壁になるので、施主の好みによって施工方法を変えていきましょう。

和風・洋風住宅に合う左官仕上げ

左官仕上げは、使用する材料や仕上げ方によって、和風住宅にも洋風住宅にも合う仕上げにすることができます。
ここでは、和風・洋風住宅に合う左官仕上げをいくつか紹介します。

1:和風住宅に合う左官仕上げ

和風住宅には、伝統的な素材や技法を用いた左官仕上げがおすすめです。

1:漆喰仕上げ

漆喰は、消石灰を主原料とした自然素材で、古くから日本の伝統的な建築材料として用いられてきました。
調湿効果や消臭効果、防カビ効果など、優れた機能性を持ち合わせています。
また、自然な風合いが特徴で、温かみのある空間を演出します。
和風住宅の壁や天井に最適です。

2:土壁仕上げ

土壁は、土を主原料とした自然素材で、古くから日本の伝統的な建築材料として用いられてきました。
調湿効果や断熱効果、遮音効果など、優れた機能性を持ち合わせています。
また、土の温かみを感じられる自然な風合いが特徴で、落ち着きのある空間を演出します。
和風住宅の壁や天井に最適です。

2:洋風住宅に合う左官仕上げ

洋風住宅には、モダンな雰囲気や個性的な空間を演出できる左官仕上げがおすすめです。

1:モルタル仕上げ

モルタルは、セメントと砂を混ぜ合わせた材料で、強度が高く、耐久性に優れているのが特徴です。
さまざまな色や模様に仕上げることができ、モダンな空間にもよく合います。
洋風住宅の壁や天井に最適です。

2:コンクリート打ちっぱなし仕上げ

コンクリート打ちっぱなし仕上げは、コンクリートの表面をそのまま仕上げる方法です。
無機質な素材の質感を生かした、スタイリッシュな空間を演出します。
洋風住宅の壁や天井に最適です。

まとめ

この記事では、左官仕上げの種類や特徴、和風・洋風住宅に合う左官仕上げについて解説しました。
左官仕上げは、使用する材料や仕上げ方によって、さまざまな表情を見せることができます。
そのため、自分の好みの空間をイメージし、最適な左官仕上げを選ぶことが大切です。
この記事が、読者の皆様の左官仕上げ選びの参考になれば幸いです。

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